当館では、公開講座「石に刻まれた日本の歴史」(10月6・13日開講)にあわせて所蔵石碑拓本の特別展示会を、10月15日から20日までの6日間、館内において開催しました。
展示した拓本は、昨夏の書庫内整理中に発見された高句麗広開土王碑(第三面)と物部守屋大連之碑および多賀城碑の3点です。広開土王碑拓本は昨年に続き2度目の公開となりましたが、学長裁量経費で修復された拓本の大きさと迫力にあらためて感じ入っていた来場者も多く見受けられました。
また、初公開の物部守屋大連之碑拓本は、明治29年に地元の有志により山形市千歳山の麓に建立された石碑の拓本です。建立時に別に制作された拓本は、明治天皇の御覽に供されたとのことです。飛鳥時代の豪族である物部守屋を顕彰する石碑が、なぜこの時期、山形の地に建てられたのかなど不明な点も多いのですが、地元の新聞などで取り上げられ話題となり、公開講座では歴史愛好者に多数参加していただきました。同碑はここ数年来、鬱蒼とした樹木に蔽われ通行人も気がつかない状態でしたが、講座に先立ち講師の人文学部三上喜孝先生の発案で、市の公園緑地課の協力も得て学生・教職員のボランティアによる清掃作業を行い、大きな自然石の台座に立つ全長5メートルを超える石碑の全容が見事に蘇りました。
特別展示の期間中、学生・教職員や公開講座受講者の他、歴史の授業で見学に訪れた近隣の男子高校生や地元の郷土史家など約350人の方にご来場いただきました。
【第1回 公開講座の様子】 | |
【第2回 公開講座の様子】 | |
【石碑清掃作業風景】 | |
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